『FQKids』VOL.11 2022 SUMMER ISSUE 掲載

小林ホールディングス未来への展望

次世代へ繋ぐスポーツトイの無限の可能性とは?

今年1月20日、ラングスジャパンの小林美紀社長が「小林ホールディングス」を立ち上げた。
社長に就任したのは、精神科医である長男の小林遼太郎さん。
スポーツトイ・医療・フィットネスジムの3つの側面から、今後の事業展開のビジョンについてお話を伺った。

—— 医師になれたのはブーメランがあったから

遼太郎(以下、遼)

親子で仕事のことをよく話します。私の妻の家族もラングスジャパンのスポーツトイの大ファンです。

小林

年齢の枠を超えて楽しめるファミリースポーツですから!

私が二足歩行を始めた頃には、ブーメランを握っていました。玩具は全てラングスジャパン。学生時代、東急ハンズなどで実演販売のバイトをしましたね。

小林

新商品を輸入すると、まず真っ先に我が家の3人の子供たちにモニターになってもらいます。良い商品というのは、子供たちの反応を見ればすぐにわかります。常に「自分の子供たちのために良いものを輸入しよう」がベース。それが日本中の子供たちにとっても良いものであるということに繋がりますから。

母からスポーツトイは与えられても、勉強しろと言われたことは一度もありません。お陰でバランス感覚が身につき、勉強と遊びの両立ができました。医師になれたのもブーメランのお陰(笑)!

—— 医師の立場から、スポーツトイは心身にどのような作用があると思いますか?

遊びながら平衡感覚や動体視力・反射神経・バランス感覚が鍛えられることです。私が診ている患者さんがなぜ病気になるかというと、ストレスを発散する方法がわからないからです。スポーツトイには「心身を使って遊ぶ楽しさ」があります。この楽しさはストレス発散に非常に役立ちます。

小林

仕事で忙しかったので、子供たちをキャンプに連れて行ったりできませんでしたが、今の発言を聞いて、ちょっと本当に涙が出そうです(笑)。

母の仕事に対する情熱や努力する姿をそばで見て育ったので、人としてどうあるべきかを学びました。私が医師になったのも、母と同じように仕事を通じて社会に貢献したいと思ったからです。

—— ラングスジャパンのこれからの中長期的展望

小林

今年1月20日に小林ホールディングスを立ち上げ、彼が社長に就任しました。これからは、2017年に手掛けたフィットネスジム・医師である夫と息子の医療・私のスポーツトイの3つの側面から人々の健康に貢献できると考えています。

世代を問わず、また病気の有無を問わず、全ての人が健康になれるよう、今までにない新しいやり方で社会課題を解決していきたいと考えています。室内ブーメランでリハビリするなど、病院と玩具の融合ができたらいいですね。スポーツトイが心身に良い作用があることは既に実証済みですから。

小林

室内用の砂・キネティックサンドは、外遊びが制限された東日本大震災時には非常に喜ばれた商品でした。

砂遊びは自分との対話を通じて自己理解が促される遊びです。箱庭療法と同じ作用があると感じています。私はこれから全く新しい分野である「スポーツトイが病気にもたらすメリット」について研究していこうと考えています。

小林

エビデンスとなるその論文が発表される日が楽しみです。

写真/松尾夏樹 文/脇谷美佳子